ドラッグストアなどの薬屋さんでお薬を購入する際、市販薬のパッケージに「第2種医薬品」や「第3種医薬品」と記入されていることにお気づきですよね。
実際のことはよく分からないけど、なんとなくイメージで”3”より”2”が効くんじゃないかと思って購入したことありませんか?
その判断、実は間違いです!
でもだからといって”3”の方が効く‥ということでもありません。
第2種医薬品と第3種医薬品の違いの答えを説明します。
第2種医薬品は第3種医薬品より効く、は間違い
まず、市販薬はなぜ第2種医薬品や第3種医薬品などと区分してあるのでしょうか?
「薬」には”病気を緩和するもの”と、”怪我などを治療するもの”があります。
つまり、健康状態が悪くなった身体を良い状態に戻すという効果です。
しかし、その効果の裏には、良い状態に戻すことと引き換えに必要としない作用も起こってしまいます。
この必要としない作用が現れることを「副作用」といいます。
全ての薬には必ず、この副作用が存在するのです。
薬の成分によってそれぞれ違う副作用が存在し、その強さや発生頻度などは成分の組み合わせによっても様々変わってきます。
よって、市販薬には副作用が強いもの、比較的弱いものなどが混在していることになります。
この混在した状況の区別がつくように、市販薬は副作用が起こるリスクによって分類されているのです。
この分類分けこそ、第2種・第3種医薬品の違いとなります。
第1種から第3種医薬品の違いとは?

第2種・第3種医薬品とは、副作用が起こるリスクの違いで分類されています。
第3種医薬品より、副作用が起こるリスクが高いものが第2種医薬品です。
今まで第2種医薬品の方が効くだろうと思って薬を購入していた人は、副作用が起こるリスクが高いものを選んでいたということになります。
とは言っても、そもそも市販薬は、一般販売が許されている時点で安全性が立証されたものばかりです。
安全の中でも特に安全なものが第3種医薬品、副作用のリスクが若干高くなるのが第2種医薬品という認識で大丈夫です。
そして、市販薬の中でもっとも副作用のリスクが高くなるのが、第1種医薬品になります。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、第1種医薬品は取り扱いがないお店があります。
それは、第2種・第3種医薬品と比べると、副作用のリスクが格段と高くなるからです。
薬剤師と登録販売者の違いを過去の記事で述べていますが、第1種医薬品の取り扱いができるのは薬剤師だけになります。
第1種医薬品の取り扱いのあるなしで、その薬屋さんに薬剤師がいるかいないかの判断もできます。
第1種医薬品の購入の際は、薬剤師による注意喚起が行われ、服用の際の注意が告げられるはずです。
また、一度に購入する数も制限されています。
それほど、副作用の注意が必要な市販薬が第1種医薬品というわけです。
医薬品のリスク区分
第1種・第2種・第3種医薬品の他にも、まだ分類が存在します。
副作用のリスクによって細かく分類された区分を「医薬品リスク区分」といいます。
一覧を表にしてみました。
副作用リスク | リスク区分 |
---|---|
もっとも高い | 第1種医薬品 |
比較的高い | 指定第2種医薬品 |
中間 | 第2種医薬品 |
少し低い | 指定第3種医薬品 |
低い | 第3種医薬品 |
かなり低い | 指定医薬部外品 |
もっとも低い | 医薬部外品 |
市販薬の中でもっとも副作用のリスクが高いものが第1種医薬品、その次が指定第2医薬品となります。
医薬部外品がもっとも副作用リスクが低いもので、栄養ドリンクや健康食品がこれに当たります。
また、化粧品やボディクリームなどにも医薬部外品の商品があり、医薬効果があるものといえます。
どうやって分類分けされているかというと、それは安全性の実証が判断された順番です。
もともと医療用として使用されていた医薬品が、長い月日と多くの使用実績を経て、一般販売に問題がないと判断されるとまず第1種医薬品として市販されるようになります。
市販が許された医薬品のことを、OTCと呼びます。
市販前の医薬品はカウンター内のみでの取り扱いですが、市販されるとカウンターの外にでるということで「over the counter(オーバー・ザ・カウンター)」と表し、この言葉を略して「OTC」というのです。
医療用医薬品がOTCになった直後のものが第1種医薬品となります。
まだ実証実績が少ない為、副作用のリスクが高いという扱いで薬剤師の管理の元での販売が義務づけられます。
十分な実証実績が確認でき安全性が認められると第2種医薬品となり、より安全性が確立されたものは第3種医薬品となるのです。
このように長い月日と多くの人の実証実績の結果により、副作用が起こるリスクが低いものが第2種・第3種医薬品となります。
ですので、持病をもたない一般的に健康な方は安心して使用できます。
そして、副作用のリスクがもっとも低く安全性が極めて高いものが、医薬部外品となります。
まとめ
第2種・第3種医薬品の数字の違いは”効き目が強いか弱いか”ではありません。
副作用のリスクが高いか低いかの違いになります。
しかしだからと言って、副作用リスクを恐れる必要もありません。
市販薬は長い期間の使用実績で安全性が確立されたものばかりです。
パッケージ記載の注意事項をしっかり確認し注意さえしていれば、大きな副作用が現れることはほとんどないでしょう。
第1種医薬品の購入時のみ、薬剤師さんからの説明をよく聞くことを守ってください。