ビスラットはダイエット薬じゃない?ビスラットを詳しく解説!

ビスラットはダイエット薬じゃない?ビスラットを詳しく解説!

2021年4月17日
漢方薬

ビスラットという市販薬がテレビなどで宣伝されています。

テレビCMはインパクトもあるので、偶然見かけて目が止まったことがある‥という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「脂肪を燃やす」「むくみをとる」などのキャッチコピーが使われていて、ぱっと見だとダイエット薬のように思えます。

ところが、ビスラットという商品はダイエット薬ではありません。

ダイエット薬ではないのに「脂肪を燃やす・むくみをとる」との表現がされているのはなぜなのでしょうか?

ビスラットはご存知小林製薬の商品

ビスラットという商品はシリーズ化されていて、今のところ2種類が販売されています。

『ビスラット ゴールドEX』と『ビスラット アクリアEX』です。

当ブログではお馴染みとなった小林製薬がビスラットの販売会社になります。

小林製薬について詳しく紹介した記事がありますので、お時間があればそちらの方もご覧になってください。

参照記事:小林製薬ってどんな会社?

その記事にも紹介していますが、小林製薬は長い歴史を持った一流の医薬品メーカーです。

そんな優良企業から販売されている商品なので、このビスラットも良い商品であることは間違いありません。

しかし、ダイエット薬ではないというビスラットの宣伝文句に「脂肪を燃やす・むくみをとる」を使うのは、一見誤っているようにも思えます。

しかし、この表現はウソではないのです。

実際の効能効果にあることが使われています。

「脂肪を燃やす・むくみをとる」という言葉で、ダイエット薬だろうと勝手に勘違いしているのは視聴者側になります。

メーカーからは一切「ダイエット」という言葉は使われていません。

いつしか、「脂肪燃焼」と言えばイコール「ダイエット」と捉えられるようになりましたが、そもそも双方は違う意味の言葉です。

この二つを結びつけたのは他ならぬマスメディアになります。

数十年前に訪れたダイエットブームの時に、メディアが取り上げた言葉が「脂肪燃焼」や「むくみ」などの関連する言葉でした。

そういった言葉をダイエットと同時に多用したことで、私たちはいつの間にか同等の意味のようにインプットしてしまったといえます。

さて、ダイエット薬ではないというビスラットには、実際に「脂肪を燃やす・むくみをとる」という効果があるのでしょうか?

答えはビスラットの成分にあります。

ビスラットの成分は漢方薬

ビスラットの成分は2種類とも漢方薬処方になります。

『ビスラット ゴールドEX』は「大柴胡湯(だいさいことう)」

『ビスラット アクリアEX』は「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」

という漢方薬です。

それぞれを詳しくみてみましょう。

『ビスラット ゴールドEX』の「大柴胡湯」の効能は、日本漢方生薬製剤協会によると次の通りです。

  • 胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症

「肥満症」とあるのは、新陳代謝を高め脂肪の燃焼効果が期待できるからです。

つまり「脂肪を燃やす」効果があるということになります。

ところで、注意しなけらばいけない点があります。

漢方薬は体質が合わないと効かないという点です。

これも過去の記事で詳しく取り上げていますが、漢方薬はその人の体質によって合う・合わないがあります。

東洋医学においての『証(しょう)』と呼ばれるものです。詳しくは次のリンク先をご覧ください。

参考記事:漢方薬の効き目は?

「大柴胡湯」は実証(じっしょう)タイプといって、比較的体力が充実していてがっちりした体型の方に合う処方となります。

また、上に記した効能の中に便秘があるので、下痢になりがちなお腹が弱い方には向いていません。

さらに、脇腹から胸あたりにかけて圧迫感を感じるような人、腰の高い位置でベルトをすると苦しく感じる、女性ならブラジャーが胸部を圧迫してつらい、というような人がよく合うとされています。

『ビスラット アクリアEX』の「防已黄耆湯」の効能は以下の通り。

  • 肥満症、多汗症、むくみ、関節炎(ことに関節に水がたまりやすいもの)など。また、そのような症状をともなう腎炎。

「むくみ」という言葉がそのまま出てきます。

よって『ビスラット アクリアEX』には、むくみをとる効果があるということになります。

「防已黄耆湯」は、虚証(きょしょう)タイプに合う処方です。

体力がなく、汗かきで疲れやすい、色白で太りぎみの人に向きます。

一般的には、ぷよぷよした水太りタイプの方にあう処方です。

効能にある通り、関節の痛みにもよく使われる漢方薬になります。

それぞれの違いをわかりやすく例えるならば、

がっちり太った人ならば、「大柴胡湯」の『ビスラット ゴールドEX』

ぷよぷよした水太りの人には、「防已黄耆湯」の『ビスラット アクリアEX』

と、なります。

どちらも効能にある症状を改善する体質改善薬として、病院などでも多く処方されている漢方薬です。

ちなみにこの2種類の漢方薬は、他のメーカーからも販売されています。

もっとも有名なのは、クラシエ薬品のコッコアポですかね。

『コッコアポL』の成分は防已黄耆湯になります。

またその他にも、ロート製薬の和漢箋(わかんせん)シリーズ『ラクリア』も中身は防已黄耆湯。

ツムラや本草製薬などの中小企業からはそのまま『防已黄耆湯』『大柴胡湯』という商品名で販売されているものもあります。

同じ名前の商品で価格が安いものがあれば、それはジェネリック薬品扱いとなるのでお買い得です。

それから、これらの体質改善を目的とした漢方薬は長期服用することも基本です。

体の中に作用して少しづつ体質を改善させるわけですから、ある程度の時間がかかるのは必然といえます。

3ヶ月程度は様子を見る覚悟も持つようにしましょう。

参考記事:漢方薬の効き目は?

ビスラットを詳しく解説!まとめ

ビスラットは小林製薬から販売されている体質改善の漢方薬です。

『ビスラット ゴールドEX』は「大柴胡湯(だいさいことう)」

『ビスラット アクリアEX』は「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」

になります。

それぞれ、効能効果には違いもあるし、効き目が出るには”証”が合う必要があるので服用には注意が必要です。

簡単に購入するような商品ではないと言えるでしょう。

この”証”の判断は素人では難しいので、店員さんに尋ねることをおすすめします。

もっと言うなら、漢方薬なので漢方薬局への相談が一番いい方法であることをつけ加えておきます。

参考記事:漢方薬の効き目は?

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