春はうつ病が悪化する?春のメンタル不調について

春はうつ病が悪化する?春のメンタル不調について

2021年2月26日
うつ病

春はなんとなく眠くなる‥という経験はございませんか?

それは気のせいなんかではありません。

医学的においても、年間を通じて春はもっとも精神健康が不調になるシーズンなんです。

うつ病を発症する人、もともとうつ病の人が悪化するなど、さまざまな精神疾患に悩まれる方が増える季節が春になります。

そしてその精神不調は誰にでも起こり得ることです。

なぜなのでしょうか?対策も合わせてお話しいたします。

自律神経の不調が引き起こすものとは?

春といえば、寒い冬が終わり暖かくなる季節です。

ただ一気に暖かくなるのではなく、まだ寒い日も残ります。

暖かくなったり寒くなったりする、この寒暖差が原因で体調不良を起こしてしまうのです。

体調不良には直接的な疲労障害などの他に、頭がボーッとして日中眠い、不安な気持ちになるなどといった、精神的な不調も含まれます。

春にメンタル不調を感じる方というのは、実はとても多くいらっしゃいます。

皆さん「自律神経」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

しかし、具体的にどういったものなのか詳しく説明できる人は少ないと思います。

「自律神経」とは、主に内臓や血管の働きをコントロールする神経のことです。

お腹が減った時に食べる動作をうながしたり、眠たくなったら体のスイッチを睡眠モードに切り替えたりします。

ですので、自律神経の働きが悪くなると、胃腸の不調を引き起こしたり、睡眠障害が起きたりするのです。

日中に眠気を感じたり、逆に夜眠れなくなる人、不安な気持ちに支配されたりする人もでてきます。

こういった自律神経の不調が総合的に起きると『うつ病』を発症することになります。

自律神経の不調は、特定の誰かに起こるものではなく、生きて生活をしている全ての人に起こり得ることです。

少しでも正常じゃないと感じたら、我慢せずにお医者さんに相談しましょう。

中医学において、春は自律神経の乱れが生じる季節とされています。

春に活動するためのエネルギーを、冬の間上手に蓄えられないと、春に病気を引き起こすという考え方です。

”上手にエネルギーを蓄えられない”とは、心身が健康状態にないことを意味します。

つまり、健康な体で冬を過ごせないと、春先になって一気に爆発するということです。

去年からのコロナ禍によって、冬の間の健康状態に不安がある方はとても多いと思います。

そのような人たちは特にこの春、注意が必要です。

春のメンタル不調をさけるには?

うつ病を発症させてしまうと、場合によってはかなり長期的な治療を必要とし、結構なお金と時間を要してしまいます。

そうならない為には、ある程度しっかり予防対策に取り組む必要があります。

本来なら冬場から行っていなければならないのですが、春先からでも間に合う対策を紹介します。

まず、もっとも重要なのは「正しい生活リズムの確保」です。

朝はできるだけ早起きして、朝日の光を浴びましょう。

春の日光浴は、それだけでも十分な効果がある対処薬となります。

早起きのためには、夜の過ごし方も重要です。

夕食は早めに終えて、就寝時間の1時間半前くらいには入浴を済ませます。

この入浴も熱湯にならないよう、ややぬるめの38度くらいが適温です。

湯船に長時間浸かる長湯もさけ、使っている時間は10分程度にしてください。

お風呂から上がったら、部屋は暗めの照明にして睡眠の準備に入ります。

読書をしたりぼーっとしたり、なるべくリラックスした状態で過ごしベットに入りましょう。

脳が覚醒するようなスマホゲームやテレビ鑑賞はNGです。

このような睡眠導入方法を実行すれば、しっかり熟睡できて朝もスッキリ目覚めることができます。

朝日を浴びるのは、通勤通学の時間だけでも十分です。

自宅にいる人は、窓を開けて日差しを浴びてください。

窓をしめた状態でも日光が当たれば大丈夫です。

時間は数十分でかまいません。

食欲不振にいい食べものは?

生活リズムの他に重要なのは食事です。

栄養をしっかり摂取することは基本中の基本になります。

食欲がある場合は、朝昼晩きちんと食事をとりましょう。

しかし、春の体調不良によって食欲をなくす方もいます。

食欲がない方は、無理をせず少量でも何か口に入れることを心がけてください。

その際おすすめなのは、一般的に「酸っぱい」とされる食材です。

漢方医学では、春は”肝”(肝臓)が弱るとされています。

弱った”肝”を元気付けるのが「酸っぱいもの」になります。

具体的には、酢の物や梅干し・レモンなどです。

食欲がない時でもさっぱりと摂取しやすい食材になります。

「酸っぱい食べもの」をとることで”肝”が充実すると、食欲不振は解消します。

栄養がしっかりとれて体が充実してくると、精神の不調の解消にも繋がります。

これも、漢方医学の考え方なのですが、”肝”の弱りは「心の不安」も引き起こすとされているからです。

つまり、酸っぱい食べ物は食欲不振と同時に心の不調も改善するという一石二鳥の役割を持っているわけです。

ですから、以前からうつ病の方など精神疾患にお悩みの方にも、「酸っぱい食べもの」は有効といえます。

春のメンタル不調について、まとめ

春は医学的にみてもメンタルが弱まる季節です。

規則正しい生活リズムでしっかり睡眠をとり、日光浴をすることはその対策の一つになります。

また、食欲がない時は「酸っぱい食べ物」をとるようにしましょう。

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