痔の市販薬を選ぶとなると、テレビCMで有名な商品が頭にうかぶのではないでしょうか。
最近、ヘモリンドという商品のCMをよく見かけますよね。
実際効くのでしょうか?
今回は痔の市販薬の選び方を注意点も含めて、ヘモリンドについてお話します。
痔の市販薬の正しい選び方
痔には、いぼ痔・切れ痔・痔ろうという3種類があります。
種類の詳細は前回の記事で紹介しましたので割愛いたします。✳︎詳しく知りたい方はこちらをクリック
それでは、それぞれの痔の治療に使う市販薬をみてみましょう。
できる場所によって次のタイプがあります。
- 肛門の外にできた時に使う軟膏剤
- 肛門の中の症状には座薬
- 中と外どちらにも使えるタイプの注入軟膏
- 血管のうっ血を改善させて治療する内服薬
軟膏はチューブやボトルに入った患部に直接塗布する基材、座薬は肛門に押し入れる楕円形のものです。
注入軟膏は、浣腸剤の容器のような形をしています。
肛門の中の症状には注入剤として、外の症状には軟膏剤としての二通りの使い方ができるお薬です。
そして内服薬ですが、痔の原因である毛細血管の状態を改善する飲む痔の薬になります。
では、症状別にどのタイプを使うのかをご案内します。
肛門の外にできたいぼ痔(外痔核)と肛門の外の切れ痔には、軟膏か注入軟膏。
排便時に出血はしているが肛門の外に症状がない場合は座薬か注入軟膏。
この場合の出血ですが、場合によっては痔以外の病気の可能性もあるので注意が必要となります。
血の色が明るい鮮血であれば、ほぼ痔で間違いないでしょう。
しかし、どす黒い赤色だった場合は内臓系の病気の可能性が高いので、すぐに内科を受診してください。
また、間違いなく痔であったとしても、大量の出血があったり激しい痛みが生じる場合には、市販薬での治療ではなく、すぐに病院治療を受けるようにしましょう。
即効性は期待できませんが、塗ったり入れたりするのが苦手な方には、元を正して治すという内服薬も選択肢に入れていいでしょう。
冒頭に紹介した”ヘモリンド”は、この内服薬になります。
自分がどの症状に当たるのかをよく判断してチョイスしてください。
痔の市販薬の成分、注意点は?

内服薬以外の市販薬に使われている成分は、主にステロイドになります。
ステロイドは、強い効き目が特徴の成分ですが、効き目が強い分、長期間の使用は副作用の危険が高まります。
長期間の使用以外でも、何度も繰り返し使うこともよくありません。
ステロイドの注意点については、下記リンク先の記事をご参照ください。
症状が緩和しない場合は、10日をめどに病院受診に切り変えてください。
その際には、使っていたお薬の本体か空箱、もしくは説明文書を持参し提示しましょう。
お医者さんの治療の参考になります。
痛みが強くてつらい状態になると、市販薬を購入しようと思い立つのが一般的だと思います。
しかし本来は、そうなる前から市販薬での治療を行うべきです。
初めて痛みを感じた時や出血した時など、早めに薬を使った方が早く完治します。
そのような初期段階や治りかけ用に使う痔の薬も存在しています。
ステロイド未使用の薬です。
作用が穏やかな炎症を抑える成分が使われているので、ステロイドほど副作用リスクは高くありません。
安心して使える痔の薬になります。
ただし、強い痛みと出血の量が多い時には、ステロイドを使用したものが効果的です。
サッと治して即やめる、を心掛けておけば何も問題ありません。
まとめると、以下の使い方がおすすめです。
- 症状の出始めや痛み・出血が少ない初期段階であれば”ノンステロイド”
- 程度症状が進んで、痛みが強く出血も多いようなら”ステロイド”
- ”ステロイド”治療が効いて、ある程度症状が軽減し治りかけたら”ノンステロイド”
ノンステロイドの代表商品
ステロイド商品の代表商品
また、内服薬に使われている成分は、ほとんどが漢方薬になります。
先ほど、ヘモリンドは内服薬と説明しました。
ヘモリンドの主成分も漢方薬になるのです。
ヘモリンドの成分は?
それでは、ヘモリンドの成分を詳しくみてみましょう。
ヘモリンドは、当ブログで過去に紹介した小林製薬から販売されている痔のお薬です。
※小林製薬の参考記事はコチラ
有効成分には「静脈血管叢エキス」が使われています。
雑食動物の血管のたんぱく質を分解乾燥した生薬をエキスにしたものです。
血液の循環と血管の弾力を良くして、痔の原因であるうっ血を改善させる効果があります。
実は「静脈血管叢エキス」を使った医療用の医薬品も存在していて、病院で実際に多く処方されています。
ヘモリンドは、いわばこの医療用のジェネリック薬品というわけです。
※ジェネリック薬品についての詳細はこちら
病院治療でも使われているということは、その効果にも実績があるということになります。
よって、ヘモリンドは効く商品だといえるでしょう。
また、ヘモリンドは、舌の下(口腔粘膜)から吸収されるよう加工した舌下錠になります。
水で飲み込むのではなく、口の中で溶かすお薬です。
このヘモリンド以外にも、痔の内服薬は複数あります。
もっとも多いのは、乙字湯(おつじとう)という漢方薬です。
漢方エキスを顆粒や錠剤にした商品が店頭に並んでいます。
漢方を主成分とした痔の内服薬は全てに、血液の流れを改善する効果があり、身体にも優しいという特徴もあります。
これらの内服薬はヘモリンドも含め、何度も繰り返し痔になる方の根本治療としておすすめです。
ただし、先ほどもお伝えした通り、即効性には外用薬に劣ります。
じっくり長期的な治療が前提であることを知っておいてください。
長期といっても症状が軽い方であれば、10日ほどでの改善も期待できます。
また、外用薬と一緒に使うことで、治療を早める効果も期待できます。
ヘモリンドは効く?痔の市販薬の選び方、まとめ
痔の市販薬は症状別にあったタイプを選びましょう。
ステロイドが主成分の商品は長期間の使用には注意してださい。
ヘモリンドは根本治療の漢方生薬配合薬です。
しっかりと効果が期待できる有効成分が使われています。
ただし、即効性は期待せずに、じっくりと長い目での治療を目指しましょう。