冬場になると多くの方が発症する疾患のひとつに”痔”があります。
しかしその反面、発症しても病院へ治療に行く人が少ない疾患でもあるんです。
場所が場所だけに恥ずかしさが先にたつことが原因でしょう。
でも、恥ずかしがることはありません。
痔を経験している人って実は多いんです。
その事を裏付ける数値とあわせて、痔の種類について紹介いたします。
全世界の多数派は?
痔はお尻の病気ということで、恥ずかしく思う人がとても多いようです。
事実、痔の経験がある方に向けたアンケートによると、周りの人に相談できないと答えた方は全体の約8割にも及びます。
周りの人に相談できないのは、自分が痔であることを知られることの恥ずかしさがあるからでしょう。
しかし、相談したいと思っている人も実は痔で悩んだ経験を持った仲間である可能性があります。
そして、実をいうとその確率はとても高いものなんです。
ある製薬会社や大手製紙会社の調査によると、痔の経験がある人は日本人の約4割にも及びます。
国民的疾患と呼ばれる花粉症が日本人の約5割だということを考えると、痔も立派な国民的疾患といえます。
また、海外の解剖学者の発表によると、遺体解剖時に痔核を持っていた人が実に7割もいたそうです。
このことは、自分は痔ではないと思っていても、実際は痔だったという人がとても多いという事実が証明されたことになります。
つまり、自覚のない人も含めると世界の大多数の人が痔であるといえるのです。
痔の経験がない人の方が少数派となると、痔は世界的にみても実にポピュラーな疾患だということになります。
周りの人のほとんどが経験者だと思えば、痔は恥ずかしい疾患ではないんだと思えませんか?
もし今、「痔かも?」と悩んでいて、恥ずかしくて周りの人に相談できなかったり、病院にいく勇気がないという方がいたら、何も恥ずかしがることなく、周りの人への相談や気軽に病院にも行ってください。
痔になることは特別なことではなく、多くの方々が経験しているとても一般的な病気なんです。
ちょっと極端ですが、周りのほとんんどの人が経験していることを、経験していない方が恥ずかしいと思っていいほどだと思います。
痔は花粉症と同等の国民的疾患です。
周りの人に相談することも、病院へ行くことも、恥ずかしがる必要はありません。
痔の種類

ここからは、痔の種類についてのお話しです。
痔には、いぼ痔・切れ痔・痔ろう、と種類が分けられています。
文字通りいぼ状の腫瘍ができるのが、いぼ痔です。
いぼ痔みは、肛門の中にできる内痔核と外にできる外痔核があります。
このいぼの正体は、血管のうっ血による腫れです。
肛門には毛細血管が密集しています。
便秘や排便時のりきみ過ぎなどの要因によって、その血管がうっ血して腫れあがるのです。
肛門内にできる内痔核は、初期段階では自覚症状がない場合がほとんどです。
排便時に痛みを感じたり出血したりします。
また、肛門の皮膚が切れることで出血し痛みを生じるのが切れ痔です。
いぼ痔と切れ痔は市販薬での治療が可能ですが、痔ろうは病院での治療が必要となります。
痔ろうは、細菌などが原因で肛門の中が化膿し膿がたまり、たまった膿が肛門内の皮膚を破いて行き、肛門外まで貫通する(トンネル状態)という、痔の中でもっとも重症なものです。
激しく焼けるような痛みにあわせ高熱がでたりしますので、病院での治療は必須となります。
また、いぼ痔や切れ痔に関しても重症化すると病院による治療が必要となることも知っておいてください。
痔はみんな経験してる、まとめ
痔は世界的にみても多くの方が経験するポピュラーな疾患です。
恥ずかしいと思う必要はありません。
また、痔の種類にはいぼ痔・切れ痔・痔ろうがあります。
いぼ痔・切れ痔は市販薬での治療も可能ですが、痔ろうは病院の治療が必要です。
次回はどの種類の痔にどの市販薬を選べば良いのかをお話しします。