薬の購入が割安になる!?税金が一部戻ってくる制度を知っていますか?

薬の購入が割安になる!?税金が一部戻ってくる制度を知っていますか?

2020年9月4日
セルフメディケーション

新型コロナや相次ぐ自然災害の影響、また思わぬ事態が発生したことによる収入の減少にお悩みの方、多いのではないでしょうか。

そのような方々にとっては、少しでも足しになるのならどんな支援制度でも受けておきたいところです。

もし、あなたが普段から市販薬を利用されているようでしたら、わずかながらその足しとなるような控除制度が存在します。

今回は、あまり広く知られていない「セルフメディケーション税制」をご紹介します。

セルフメディケーション税制とは?

あなた自身や身近な人が持病を持っていたり定期的に通院されているなら、『医療費控除制度』をご存知だと思います。

この制度は年間の医療費が10万円を越えると申請でき所得控除を受けられるもので、怪我による医療費も対象で同一生計下にある家族の分も合わせることができます。

大きな医療費の出費が起こればこの制度を利用できますが、10万円に満たない場合の方が実際は多いこと、また病院にかかるほどではなく市販薬のみで対応しているため、自分には関係ないと諦めている方がほとんではないでしょうか。

ところが、2017年より10万円以下でも申請できる新たな制度が開始されているのです。

それが『セルフメディケーション税制』になります。

この新たな制度は、対象の市販薬を年間1万2千円以上購入した場合に所得控除が受けられるもので、敷居が低く申請しやすい特徴があります。

ドラッグストアや薬局で購入できる市販薬が対象なので、病院にかかるまでもなかった人にも利用できる制度なんです。

ただし、大事な注意点がひとつあります。

それは、特定の成分が配合された厚生労働省指定の商品に限定されていることです。

セルフメディケーション税制を利用するには?

セルフメディケーション税制を申請するにあたっては、市販薬ならどれでもいいという訳ではありません。

しかし、対象の市販薬の中には「総合風邪薬」や「頭痛薬」なども含まれています。

普段よく利用されている医薬品が以外と対象になっていたりしますので、一度調べてみてはいかがでしょうか。

厚生労働省から対象品の一覧表が発表されていますので、ぜひチェックしてみてください。

セルフメディケーション税制対象品目一覧

対象品がかなり多くあるので、使ったことある薬もあるかと思います。

もし普段使用されている医薬品があれば、セルフメディケーション税制の利用を検討してみましょう。

対象商品であることが判明すれば、申請のハードルは残り二つ。

一つは、所得税・住民税を納めていて、健康診断や予防接種・がん検診などの定期的な健康促進、および疾病の予防への取組を行なっていること。

二つ目に、年間(申請前年の1月1日から12月31日までの期間)で対象医薬品の購入合計金額が1万2千円を超えていることです。

一般の企業にお勤めの方であれば会社が行う健康診断を受けているでしょうから、ひとつ目のハードルは難なくクリアしていると思います。

二つ目のハードルは1年間の購入金額合計をみなくてはならないので、レシートを取っておくことは必須事項です。

例えば、頭痛持ちで普段から頭痛薬をよく購入しているとします。

ひとつ千円の対象頭痛薬を月に1回購入されているようでしたら、申請が可能という訳です。

毎月買うほどではないけど2ヶ月に1回程度は買っている、という方はその他の対象医薬品を含めての申請を考えてみましょう。

家族の分も含めて、風邪を引いた時・怪我をした時・疲労回復時などの常備薬を対象品からチョイスして購入することで金額を上乗せさせるのです。

でも、対象品を調べるために先ほど紹介した対象品目一覧表をいちいちチェックするも大変ですよね。

安心してください。一覧表がなくても店頭で簡単にチェックは可能なんです。

セルフメディケーション税制対象品の見分け方

厚生労働省は医薬品メーカーに対して、セルフメディケーション税制対象品には税制の対象であることを示す識別マークをパッケージに印字することを義務付けています。

その認識マークがこちらです。

ドラッグストアをよくご利用される方なら、目にしたことがあるマークだと思います。

このマークを見つけることなら、難しい作業にはならないでしょう。

利用したい、または揃えておきたい医薬品を店頭で選ぶ際に、この識別マークがパッケージに印刷されているものを選べばいいということです。

識別マークが入った商品の合計が年間で1万2千円を越えれば、セルフメディケーション税制の利用が可能になります。

また、購入後にも対象品を見極める手段があります。

ドラッグストアや薬局で対象品を購入した場合、対象品には購入レシートの商品名に★マークが印字されているのです。

レシート印字は、レジを通した後の確認としても利用できます。

どうですか?とても低い申請のハードルだと思いませんか?

わずかでも税金が戻ってくるなら利用しない手はないでしょう。

それでは、次に必要な申請書類を紹介します。

セルフメディケーション税制の利用方法

領収書の表示例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/info-iryouhikoujo3.htm

セルフメディケーション税制を利用するために必要な書類は、①対象となる医薬品を購入した際の領収書(レシート)②定期健康診断等を行ったことを証明する書類が必要、と厚生労働省のサイトに案内されています。

上の図は、そのサイトにあるレシートの表示例になります。

申請を行う前年1年間の上記書類をしっかり保管しておいて、翌年の確定申告にて申請は行うこととなります。

その際必要となる書類は、セルフメディケーション税制を適用し計算した確定申告書とセルフメディケーション税制の明細書になります。

詳細は厚生労働省の専用サイトをご覧ください。

セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

この『セルフメディケーション税制』は、私たちが市販薬を上手に利用することで病院にかからないようにする=医療費の削減、を目的として制定されました。

ところが今は別の意味も持つようになっています。

無駄に医療機関を利用しなくて済むこと、つまり医療現場の切迫を防ぐことにも繋がる、とても意義のある制度なのです。

薬の購入が割安になる!?税金が一部戻ってくる制度、まとめ

『セルフメディケーション税制』とは、ドラッグストアや薬局で指定の医薬品を購入した際、年間の購入金額が1万2千円を超える時に所得控除を受けられる制度です。

今年起こった様々なイレギュラーな出来事で、収入が減少した方はもちろん、そうでない方々も自分自身の健康のため、そして社会のためにもぜひ利用してください。