back number の最新曲「水平線」はご存知でしょうか?
今夏開催予定だったインターハイの中止を受け急遽 youtube にてPVと同時に発表された曲です。
当事者である高校生からの手紙を受け取った back number が、その高校生らに向け思いを綴った応援ソングになります。
しかし、その内容はあらゆる人にも届くメッセージの back number らしい楽曲なんです。
今回の”心の処方箋”は、この曲「水平線」を紹介します。
back number 最新曲は緊急配信の応援歌
新型コロナの影響により、今夏開催予定であったインターハイが史上初めて中止となりました。
この事実を受け、意気込みを持って開催準備を進めていた運営に携わる高校生らが back number に宛て手紙を送ったのです。
今年の開催県はback number メンバーの出身地である群馬県でした。
そして、その開会式では彼らのヒットナンバー「SISTER」が演奏される予定だったとのことです。
このことを知ったback numberメンバー、特にボーカルの清水依与吏さんは、自身も学生時代に陸上競技でインターハイを目指していたこともあり、高校生らのために何か出来ないかを考えられました。
その結果、急遽制作された楽曲が「水平線」になります。
この曲は本来、インターハイの開会式が行われるはずだった、8月18日に公式youtubeにて公開されました。
back number 最新曲「水平線」
費やし重ねてきたものを発揮する場所を失くす事は、仕方ないから、とか、悲しいのは自分だけじゃないから、などの言葉で到底納得出来るものではありません。
選手達と運営の生徒達に向け、何か出来る事はないかと相談を受けた時、長い時間自分達の中にあるモヤモヤの正体と、これから何をすべきなのかが分かった気がしました。
先人としてなのか大人としてなのか野暮な台詞を探してしまいますが、俺たちはバンドマンなので慰めでも励ましでも無く音楽をここに置いておきます。
清水依与吏(back number)
https://backnumber.info/news/detail/104185
このメッセージと共に公開された「水平線」は、大きな反響を呼び話題となりました。
そして8月26日には、インターハイ事務局より『令和2年度インターハイに関わる全国の高校生への応援ソング』として公式に発表がなされています。
”応援ソング”とつけられていますが、曲の中には「頑張れ」のように直接的な言葉はひとつもでてきません。
そしてその歌詞の内容は、高校生以外のあらゆる人の心にも届くものとなっています。
全ての人に刺さる「水平線」の歌詞
back number 最新楽曲「水平線」の歌詞を一部紹介します。
正しさを別の正しさで
失くす悲しみにも出会うけれど
https://www.youtube.com/watch?v=iqEr3P78fz8
全力で挑戦し調整を続けてきた正義が、社会的・人道的な正義によって奪われてしまうという非条理な出来事に巻き込まれてしまったことが、そのまま歌詞となっています。
まったく非がない正しいことが、別のまったく非がない正しいことによって失くしてしまう悲しみ‥とストレートに表現してあるのです。
下手なごまかしがないことで肯定されたような気持ちになり、そのことで逆に励まされていると感じる歌詞だと思います。
さらに、2番には以下のような歌詞がでてきます。
心は誰にも見えないものだから
見えるものよりも大事にするといい
https://www.youtube.com/watch?v=iqEr3P78fz8
目に見えるものの中には、偽りのものだったり辛いことがあったりします。
そんな不確かな見えるものなんかより、確かな自分の心の中を大切にしようという歌詞です。
このような歌詞は高校生だけじゃなく、色んな人の色んな状況にも当てはまるかと思います。
何かの障害にぶち当たり、どうしようもない悲しみに襲われている、そんな全ての人の心に届くのではないでしょうか。
一般的に”応援ソング”というと「壁を越えよう」のようなワードを用いて、”頑張るあなたを応援する”といったものが多いなか、この曲は「落ち込んでもいい」「頑張らなくてもいい」と、”あなたの側に寄り添って励ましてくれる”ものになっているかと思います。
そこが実に、back number らしい応援ソングです。
世の中には不条理な出来事も多く、生きていくなかで何度か巻き込まれることもあるでしょう。
そんな時は無理をしてまで頑張らなくていいのです。
back number「水平線」は、あなたの肩をそっと抱いてくれるナンバーになっています。
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