食中毒は新型コロナと同じ対策?下痢止めはNG?!

食中毒は新型コロナと同じ対策?下痢止めはNG?!

2020年6月6日
健康知識

新型コロナウイルスの感染がなかなか収まりをみせない中、季節は梅雨を迎えます。

湿度温度が高くなるこれからの季節、前回お話しした熱中症の他に気をつけるべき疾患があります。

それは食中毒です。

皆さんも耳にしたことがあるO−157も、まさにこれから感染のピークを迎えます。

食中毒は、新型コロナと同様の対策で防げるのでしょうか?

食中毒と新型コロナの大きく違うところ

食中毒は新型コロナ同様、私たちの行動で防げる病気です。

食中毒を起こす原因は、先に述べたO-157などの大腸菌やウイルス・自然毒によるものになります。

今、日常化しつつある新型コロナ感染対策のマスク・手洗い・アルコール消毒を行うことで、食中毒はある程度予防できます。

しかし、一点だけ全く違った注意行動が必要となります。それはズバリ「食事」です。

つまり、今まで行ってきた新型コロナ対策に加え、これまでは自由だった食事にも注意が必要となります。

食中毒を起こす原因菌であるO-157などの大腸菌各種は高温多湿の環境下で、爆発的に増殖します。

高温多湿となる梅雨の季節、まさに今からがもっとも活性するシーズンになるのです。

よって、これまで外出を控える為行っていた、食材のまとめ買いが危なくなってきます。

これからは腐りやすい食材のまとめ買いは避けるようにしましょう。

どのような食材に気をつけなければならないか、皆さんはご存知ですか?

O-157の原因食材例をみてみましょう。

  • O-157原因食品
    • 肉類:牛レバー、牛タタキ、焼肉、ユッケ、内臓肉、ステーキ、ハンバーグ、鹿肉
    • 野菜:サラダ、キャベツ、レタス、カイワレ大根、きゅうり
    • 漬物:白菜漬け、キュウリの浅漬け、カブの浅漬け、和風キムチ
    • その他:白和え、日本そば、メロン

過去に菌が検出された食品は、多岐に渡っています。

例をみて気がつくことは、いわゆる生モノばかりではないということです。

ステーキやハンバーグでも検出された例があることは驚きますが、これは火の通し方が甘かったことが考えられます。

O-157などの細菌は十分に火を通すことで死滅させることができます。75℃で1分間以上が目安です。

食中毒を起こさない為の一番の対策は「生モノを食べない」ということになります。

肉に限らず、野菜にも火を通し温野菜とした方が、食中毒予防の観点では有効になります。

生野菜などのサラダは、日を置かないでに購入直後のフレッシュな野菜を食べた方がいいでしょうし、上の例にある漬物などの加工食品も購入した後長期間置かず早めに食べきることが大事です。

食中毒に下痢止めはNG!

食中毒も新型コロナと同じで、どんなに注意したとしてもなってしまうことがあります。

食中毒の症状は、強い腹痛や激しい嘔吐下痢です。

高熱を引き起こすこともあります。

明らかに通常の腹痛と違うと思ったら迷わず病院へ行きましょう。

食中毒は市販薬では治せません。

常備してある腹痛の薬などでは症状はよくならないし、とりあえず様子見でと時間を空けることで、病状が進み手遅れになってしまうことだってあり得ます。

一番注意して欲しいのは、下痢止めの服用です。

本来「下痢」という症状は、体内に入ってきた悪いもの(細菌)を体外に排出する、自己防衛作用なのです。

下痢止めの服用で、身体に不必要な悪いもの(細菌)が体内に留まってしまい、余計に悪くなってしまいます。

食中毒時の下痢止めの服用は、悪化に繋がる行為なのです。

良かれと思う行為が実は良くないこともあるという認識を持って、明らかに強く症状が出ていて食中毒が疑わしい時は、緊急で内科病院を受診するようにしましょう。

食中毒を甘くみてはいけません、最悪の場合には死にも到る事だってあり得るので、即行動を起こすようにして下さい。

食中毒の際の注意点

もし自分や家族が食中毒になった時、嘔吐物などの処理の際には注意が必要となります。

吐瀉物を通して、家族や第三者が菌に感染してしまうからです。

吐瀉物などの処理の際、吐瀉物があった場所には次亜塩素酸ナトリウム消毒液での清掃を、全ての処理が終わった後の手にはアルコール消毒をして下さい。

次亜塩素酸ナトリウム消毒液とは台所で使うキッチンハイターなどのことです。

使用の際は、ゴム手袋や使い捨て手袋を使い、他の洗剤や消毒液とは決して混ぜないようにして下さい。

他の物質と混ぜることで有毒ガスが発生するので注意が必要です。

また、調理後のまな板や調理器具も次亜塩素酸ナトリウムで消毒洗浄することも食中毒予防に効果的となります。

そして、手のアルコール消毒は、現在新型コロナ対策で使用している同じもので大丈夫です。(アルコール60%以上のもの)

ちなみに、次亜塩素酸ナトリウム液であるキッチンハイター類は、直接手の消毒には使用してはいけません。

刺激が強く手荒れを起こしてしまうからです。

手洗い用の『次亜塩素酸水』という商品がありますが、それは次亜塩素酸ナトリウムを薄めた商品でキッチンハイターとは違うものです。同じ扱いをしないように注意して下さい。

厚生労働省の公式サイトに、家庭でできる食中毒予防のポイントが詳しく掲載されているので、ぜひご覧になり参考にして下さい。

厚生労働省公式:家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

食中毒についてのまとめ

新型コロナ対策を当たり前に行えるようになっている今、私たちは食中毒の予防も自然と行えるようになっていると思います。

手洗いうがい・3密・ソーシャルディスタンスに加え、食材の管理と調理時での火の通し方に注意して、食中毒のリスクにも十分気をつけるようしましょう。