薬局とドラッグストアって同じでしょ‥そう思っている方は結構多いかと思います。
しかし、薬局とドラッグストアはそれぞれ違った場所を意味します。
その違いとはなんなのでしょう?
ドラッグストアとは?
薬局とドラッグストアの違いを語る前に一つのワードを説明する必要があります。
「OTC」という言葉です。
この「OTC」を、わかりやすい言葉に言い変えると「大衆薬」や「市販薬」になります。
「市販薬」という言葉なら聞き覚えがあるのではないでしょうか。
読んで字のごとく、”市販で売っている薬”という意味になります。
安全性が確立されていて医師の処方無しでも購入できる医薬品(風邪薬・目薬・頭痛薬など普通に購入できる薬)のことを「一般医薬品」いい、俗称的に「市販薬」と呼ばれています。
その「市販薬」を売っているお店こそがドラッグストアになるのです。
また、ドラッグストアは”ストア”という名がつく通り、様々な品種も取り扱っています。
健康食品や日用品・化粧品は当たり前で、お店によっては食料品やお酒なども販売しています。
このように「市販薬」の販売をメインに、生活に密着する様々な商品を売っているところがドラッグストアです。
一方、薬局はどうなのでしょうか。
薬局とは?
薬局とは医師の処方箋を受け付けている薬屋さんになります。
中には、ドラッグストアで売っている市販薬を取り扱っていたり、日用品を販売する店舗もありますが、一般的な薬局とは医師の処方箋を主に扱うところです。
病院の中や周辺に店舗を構えているのが多いという特徴もあります。
「いや、私の行きつけのドラッグストアでは処方箋を出してもらっている」という方もおられるかと思います。
しかし、そういうドラッグストアは、ドラッグストア店舗内に薬局を併設しているという解釈になります。
といくことで結論は、
市販薬を売っている薬屋さん → ドラッグストア
処方箋を取り扱っている薬屋さん → 薬局
ということになります。
OTCとは?

ドラッグストアの説明の時に「OTC」は「市販薬」だとお話ししましたが、それは和訳した意味になります。
「OTC」とは、ある英単語の略語です。
その英単語とは、
Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)
になります。
処方箋とは、医師が患者に合った薬を記した書類です。
処方箋を受けた薬局は、薬剤師の管理の元、処方された薬を調合して患者さんに渡します。
薬の受け渡しまで全てカウンターの中で行われ、客が勝手に持ち出すことはできません。
一歩、ドラッグストアで売られている薬は、カウンターの外である一般の売り場で自由に手にすることができます。
そうです、カウンターの外 = Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)
ということで市販薬のことを「OTC」というのです。
このことを知っている一般の方はほとんどいらっしゃらないので、「OTC」という言葉をドラッグストアで口にすると、スタッフさんに「わかる人」だと思わせることができます。その後の応対がよくなるかも?!
薬剤師とは?
もう一つ、薬局とドラッグストアには大きな違いがあります。
それは「薬剤師」さんがいるか、いないかです。
「えっドラッグストアにも白衣着た薬剤師さんいるじゃない?」と、思われる方が多いかと思います。
しかし実は、薬を販売する資格は「薬剤師」だけでは無いのです。
なので、白衣を着た人が必ずしも「薬剤師」さんとは限らないということになります。
「薬剤師」とは、”医薬品の調合や調剤を行える資格を持つ人”のことを指します。
つまり、処方されたお薬を、直接患者さんに渡す役割の方が「薬剤師」さんなのです。
薬の飲み合わせなどの最終チェックをする資格者で、大変重要な役割を背負っています。
人の生死にも関わるので、この資格を取得するには、それなりの知識が必要となります。
6年制薬学部の大学を卒業した上で、難問の薬剤師国家試験を受け合格する必要があるのです。
かなり高いハードルを超えて取得する必要がある国家資格が「薬剤師」となります。
そして、薬販売に必要な「薬剤師」とは違う別の資格はというと…
登録販売者とは?

もう一つ存在する、薬を売るために必要な資格とは、「登録販売者」という資格になります。
薬局で処方箋を取り扱う「薬剤師」に対し、ドラッグストアで市販薬を販売する為に必要な資格です。
「登録販売者」とは、”一般用医薬品の販売ができる資格を持つ人”のことを指します。
こちらの資格は、学歴などのしばりは無く誰でも受験でき、薬機法の定めによる都道府県にて実施される試験に合格すれば取得することができます。
試験自体は、それなりの勉強が必要ですが、「薬剤師」と比べると、比較的ハードルが低く、誰でも取得できる資格です。。
「薬剤師」との大きな違いは、医師の処方箋を取り扱わないこと。
一般用医薬品、つまり市販薬を販売することができる資格が「登録販売者」になります。
市販薬の販売をメインにしているドラッグストアでは、この「登録販売者」の資格を持った人が白衣を着て接客しているのです。
また、処方箋の取り扱いがあるドラッグストアは、「薬剤師」の資格者が在籍している店舗となります。
ドラッグストアの店舗によって処方箋の取り扱いのある無しは、「薬剤師」がいるかいないかと直結することなのです。
まとめ
薬局とドラッグストアが違うところであると、お分かりいただけたでしょうか。
一部例外はありますが、一般的に
医師の処方箋を扱い”薬剤師”が働く薬屋さんが、「薬局」
市販薬を取り扱い”登録販売者”が働く薬屋さんが、「ドラッグストア」
になります。
この結論を簡単な表に、まとめてみました。
薬 局 | ドラッグストア | |
どの薬を売るか? | 処方箋の医薬品 | 市販薬の販売 |
働く資格者は? | 薬剤師 | 登録販売者 |
売ってるもの? | 医薬品のみの店舗が多い | 日用品・化粧品・食品など複数 |
大まかに分けるとこのような感じになります。
細くいうと、医薬品の種類に違いがあったりもするのですが、詳しくは下のリンク先記事をご覧ください。
関連記事:第2種医薬品は第3種医薬品より効く!?医薬品の分類について
今回は、薬局とドラッグストアの違いについてお話ししました。
違いをわかった上で、いつものお店を利用してみてください。
店員さんの名札などみると、何か気づくことがあるかもしれませんよ^^